小麦粉やパンに残留するグリホサートの安全性を知ろう

小麦粉やパンに残留するグリホサートの安全性を証明する事実とは

農薬有効成分であるグリホサート。主に除草剤の成分として利用されています。そのグリホサートが小麦粉やそれを原料とするパンなどの食品に残留しているということで、グリホサートの発がん性が疑われています。しかし、グリホサートの発がん性に科学的根拠はなく、世界の規制機関もその安全性を認めているのです。グリホサートの安全性を証明する事実は3つ。

-グリホサートに発がん性があるという情報を流したIARCの評価方法に信憑性なし

-グリホサートは摂取量を守れば健康に被害を与える成分ではない

-グリホサートを含む農薬の残留基準値は日本で徹底管理されている

これらの科学的、現実的に証明された事実を知ることで、グリホサートの安全性を理解し、小麦粉やパンを安心して口にできる生活を手に入れることができるでしょう。

グリホサートの安全性はリスク評価で測るのが現実的

グリホサートに発がん性があるとする噂が広まった原因は、国際がん研究機関(IARC)がグリホサートを「ヒトに対しておそらく発がん性がある」に分類したことです。しかし、日本の食品安全委員会を含む世界の規制機関は、グリホサートの発がん性を認めていません。意見が対立している理由は、それぞれの評価方法が異なるためです。前者は、「ハザード評価」、後者は「リスク評価」という大きな違いがあります。

ハザード評価とは、化学物質自体にどのような有害性(ハザード)があるのかを評価することです。そして、食品を介した摂取等を考慮した上で、その化学物質への曝露量を評価し、その危険性を評価します。例えば、太陽光はIARCでは「ヒトに対して発がん性がある」と分類されていますが、地球に生きている限り、太陽光を避けて生活することはほぼ不可能です。もちろん、太陽光を浴びて必ずしもがんを患うことになるわけではありません。グリホサートが残留した小麦粉やパンに置き換えると、それらを規定量口にしたからといって健康に被害がでるわけではないということです。

一方、リスク評価は摂取量や環境を考慮した上でリスクを評価。世界の規制機関は、この評価方法で「グリホサートに発がん性はない」としています。リスク評価は、より現実的な評価方法であると言えるでしょう。

安全なグリホサートの摂取量、パンで換算するとどのくらい?

世界の規制機関が採用するリスク評価において、グリホサートの安全性が分かりますが、健康に被害が及ばないための摂取量が定められています。この摂取量は、一日摂取許容量(ADI)と呼ばれます。

一日摂取許容量は、人がある物質を毎日一生涯にわたって摂取し続けても、健康への悪影響がないと推定される一日当たりの摂取量です。

しばしグリホサートが残留していると話題に上がる、小麦粉やそれが原料のパンを例として、どのくらいの摂取であれば健康に害を与えないのか考えてみましょう。

グリホサートが小麦に残留している場合、検出されるのは極微量です。

食品安全委員会が定めるグリホサートの一日摂取許容量は、体重1kgあたり1mg。体重50kgの人が毎日、一生涯、摂取し続けても、健康に悪影響がないのは一日あたり50mgのグリホサートです。パンに残留するグリホサートの数値は、1kgあたり0.05mg~0.18mgとされていますが、最大数値の0.18mgで計算した場合、毎日278kg(約730斤)のパンを食べても問題がないことを意味します。

太陽光を毎日浴びたからといって必ずしもガンになるわけではないのと同じく、グリホサートの残留した食パンを毎日1-2枚消費することで必ずしもガンになるわけではないのです。

海外産の小麦粉やパンも日本検疫の管理下で安心して食べられる

パンに残留するグリホサートの数値は、1kgあたり0.05mg~0.18mgと言われています。しかし、海外の農薬残留基準値が日本とは異なる可能性があるという視点から、海外産の小麦粉やそれを原料としたパンの消費を不安に思う人もいると思います。

基本的には、一日摂取許容量(ADI)以内のグリホサート摂取では健康に悪影響がないため、上記で記したような現実的でない量のパンを消費しない限り、問題ないことに変わりありません。

しかし、日本に輸入される食品の管理に関して知っていれば、更に安心した食生活を送れることでしょう。

日本では農薬の食品への残留基準値を設け、国民の食の安全を守っています。グリホサートの残留基準値は30ppm(2017年11月29日の改定値)。輸入食品は、輸入時に検疫所でモニタリング検査が行われます。万が一、違反が確認された場合は、その食品の破棄や再発防止指導等の措置をとります。

  • 食の安全は正しい情報理解から始まる

食の安全は生活の基本です。日常で口にする小麦粉やパンだからこそ、安全に口にしたいと思うのは当然のこと。ただし、安全を守りたいがために少しでもリスクのある情報があればそれを信じ、空回りの情報理解をしてしまっては、安全が遠のきます。グリホサートの風評に惑わされず科学的根拠のある情報を理解して、食の安全を守りましょう。

Mukai Mamoru

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